多岐にわたる介護職員の仕事

介護職員が介護サービスを提供するにあたっては、まずケアプランの作成が必要となります。ちなみに居宅介護計画と表記されることもありますが、これはケアプランと同義です。ケアプランの作成を要介護者やその家族が行うことは法律的に問題はありません。しかし、実際のところ介護サービス支給限度基準額を正確に把握し、その額内で要介護者が必要とする介護サービスを適切に組み合わせていくことはかなり困難なことだといえます。そのため、ケアプランの作成を主な仕事とするケアマネジャーが存在するのです。ケアマネジャーの立場としても、要介護者がこれまでどのような環境で生活をしていて、将来的にどれくらいの生活レベルを望んでいるのかを正確に把握することは簡単ではありません。

そのため、ケアマネジャーを含む数人の介護職員が要介護者の自宅や入院している病院を訪れ、本人とその家族にヒアリングを実施することがケアプラン作成の第一歩となることがほとんどです。この訪問調査は、アセスメントと呼ばれています。アセスメントが複数の介護職員で行われるのは、客観性を保つためです。アセスメントで得た情報をもとにケアマネジャーがケアプランの原案を作成したあとは、原案を練り上げるための会議が開かれます。この会議には要介護者とその家族やアセスメントに関わった介護職員だけでなく、病院の主治医や看護師も参加することがあります。介護施設で介護サービスを提供するだけでなく、様々な角度から情報を分析し最適なケアプランの作成に携わることも介護職員の仕事なのです。